クルッシャイ ムリーぐル!〜すべてうまくいっています。

チュニジアのキリム に魅せられ、「ただの主婦」からライフシフトしてなぜこんなところでそんなこと?的 目が点腰抜け半移住チュニジア生活のお話。

『グアテマラの弟』

あれ、キリムに惚れてチュニジアへ、がテーマだったのでは?

砂糖ネタ: その3かと思ったら、チュニジアどころか グアテマラ

 

今日はちょっと寄り道。でもとても大事なプロセスかも知れない。

 

幼い頃から、本の虫。事あるごとに、本が支えになっていた。

この頃は、本のほかに旅、という要素も増えた。旅に出る=行動を起こせば出会いも広がる。ライフネット生命創業者、現在は立命館アジア太平洋大学学長の実業家、著述家の出口治明氏が何かと各方面で発信しておられる、「人・本・旅」という言葉、そのまんま。ヒシヒシと感じるこの頃。うつ病だのなんだの、棒に振ったように思える20年の後に、まさに「人・本・旅」に凝縮されたような日々が続いていた。キーワードとしてはさらにいろいろな要素は加わっているのだけれど、そこは多分に個人の趣味の部分が大きい。普遍的な部分としてはやはりこの3つ、いわば三種の神器である。

 

まさに『事実は小説より奇なり』、そんな都合のいい展開がある?と信じてもらえないような事実が幾重にも重なって今があり、まさか自分がこうしてブログを書くことになろうとは、それにもびっくり。ことここに至るまでの、貴重なつながりにはいくら感謝してもしきれない。

 

そのようなつながりから出会った、いつも励ましてくれる友人が先日紹介してくれたのが、女優 片桐はいりさんの著書グアテマラの弟』だった。

 

恥ずかしながら、片桐はいりさんがエッセイを書いておられることについては全く知らず、教えていただいてすぐに文明の利器インターネットを用いて即購入。届いて開封して、おおおー、と思わず唸る。表紙を飾るデザインが、キリムの模様みたい!

もちろん、それはタイトル通り、グアテマラ、メキシコなどの南米の伝統的デザインなのだが、それらにはチュニジアのキリムと似通ったところがあるのだ。(織物で展開することのできる模様には限界があるので、トルコでも東アジアでも、キリムの幾何学的模様はみなどこかしら似てしまう、といえばそれまでだが)

 

片桐はいりさん、実は夫と同じ大学、学年は違うはずだが同時期に学内にいて、よく見かけた、と言っていた。本の見返しを見ると、その大学名と、19××年生まれ、の文字。おおおー、同い年! 

 

一気に読みたいところをぐっと抑えて少しづつ、少しづつ。小さな角砂糖に水分が染み込み、だんだん崩れていくように、少しづつ、少しづつ・・・

 

こ、これは、チュニジアのことを書いているのでは?と一瞬思うほど、海外あるある!とうなずくところが多く、出てくるグアテマラの地名をチュニジアのものと置き換え可能、と思えるくらい。旅にまつわるエピソードも、言葉の問題も、家族との距離感も、アジア人十把一絡げで遭遇する展開への考察も、全部、2020年6月20日頃の、今の私のざらついた気持ちを癒すように染み込んできた。そして、あああ、やっぱりまた旅に出たいなぁ、としみじみ思ったのである、もう隠居しようかな、と真面目に思っていたのに。

 

ほかにもチュニジアとの意外なつながりが発見される(もちろん片桐さんはそんなことは思いもしないことであり、私が勝手にそう思って感動しただけ)部分があったり。ユーモラスな表現もさらりと優しく、奇を衒わず凝った風でもなく、すーっと読ませる魅力がある。そう思わせないところが逆に『上手い』と、舌を巻く上手さなのだ、とふっと思う、そんな文章。

ゆっくり、のほほん、クスッとしながらゆるく繋がっていく各エッセイは、終盤、思わず 「え」と声が出る場面を迎え、そのまま感動の解説へと流れていく。

 

 

書評的なことを書く資格もそんな立場でもないので、ぜひみなさまにはご自分で読んでいただいて、味わっていただきたい。一読の価値がある。なんていうと、幻冬舎文庫のまわし者みたいに、ブログで広告収入が得られるのでは、と思われるかも知れないが、全くもってそんなことはなく、ただ、こんな本がありますよ! とシェアしたい。この本に出会えたことに感謝しながら。私のこんなブログに興味を持ってくださる方にはほんとお勧め、まさにツボ。

 

 

チュニジアのでの腰抜けるような経験を、いろいろ見聞きしたことを、「この世界の片隅に」一生懸命生きている愛すべき人たちがいるということを、そこに至るまでのことを、何かの形で残したい、と思って始めたブログだけれど、百聞は一見に如かず、の動画全盛の今の世で、拙い文章でどこまで伝えられるのか、あくまで個人的な、好きでやってることを書き綴ったとて、世の中に何の意味やら影響がある?とか、激しく下向き後ろ向きになる時がある。あれこれ考えてこねくり回す、ひとり餅つき大会。しかし、この『グアテマラの弟』を読んで、あ、そうね、と思えた。文章だからできることもあるし、まず書かなきゃ誰も読めないし。

片桐はいりさんのような透明感も味もある、うおー、何気なくすごいぞーというものは書けないとしても、参加することに意義がある、と思う。また餅つきそうになったら、事あるごとに、いや、何もなくてもこの本を読み返すだろう。私もこんなものが書きたい、と。

 

それが、一つのご恩返しでもある。チュニジア暮らしを許し、支え、受け入れてくれた全ての方々への。

 

 

一年の半分近くを『逆単身赴任』されて日本でひとり暮らしになる夫→チュニジアの妻

兄一家もアメリカ在住、末っ子なのに高齢の両親のケアを任される妹→チュニジアの姉

激しくしつけ厳しかったのにあっさり子離れ、肩透かし食らった息子と娘→チュニジアの母

誰か書いてくれないかなぁ。

 

 

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グアテマラの弟」片桐はいり 幻冬舎文庫 (令和元年第10版)

 

 

 

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