クルッシャイ ムリーぐル!〜すべてうまくいっています。

チュニジアのキリム に魅せられ、「ただの主婦」からライフシフトしてなぜこんなところでそんなこと?的 目が点腰抜け半移住チュニジア生活のお話。

洗濯機について。

今 これを書いているのは ”別宅”。20年以上、賃貸に出していた『本拠地』なのだが

子供達も独立、近づく夫の定年後はそこに住もうと、キリが良いところで賃貸をやめて、とりあえず今の転勤先との半々ぐらいの多拠点生活を始めようとしているところ。

 

3月にチュニジアから緊急帰国、2週間の自宅待機が求められる時だったのでその時 初めてここで数週間を過ごした。とはいえ、貸借人が退去してそのままの空き家状態で、最低限のパソコン机などは通販で手に入れたものの、まだまだあくまで準備段階、今の家から正式に引っ越しするときに持ってくるつもりなので、家電がない。コンセントに繋ぐ必要のある電化製品はそして電気スタンドと電気ケトルのみ。

 

洗濯機・・・もちろんない。なんたって、この3月のまさかの緊急帰国までの5ヶ月ほどのチュニジア生活、それも南部地方のトゥジェンとガベスと半々の生活で常に手洗い洗濯だったのだ。はからずも鍛錬積んである。ろくにお湯も出ず、トイレもシャワーも共同で目が点になるレベルのガベスのアパートに比べたら、日本の生活、パラダイス! お風呂のついででも、またはシャンプードレッサー洗面台でも、一人分の洗濯なら楽勝である。そんなにぐいんぐいん絞らなくたって、いつかは乾く、という素晴らしい「真理」もある(以前の記事参照)ので、脱水しなくてもなんらストレスに感じることもない。

 

・・・しかし、実は2019年1月から、トゥジェンには二槽式洗濯機が存在している。

 

ホストファミリー宅はチュニスの旅行会社でドライバーとして働いている末息子の薫陶により、近辺の家ではまず考えられない、下手したらチュニスの郊外の家よりもよっぽど立派で清潔感のあるトイレとシャワーが備えられている。2019年の初め、久しぶりに訪れた母屋の、その一角にちょっと無理くり押し込まれた感はあるものの、洗濯機が鎮座ましましていた。

 

齡70を超えたママはもう一切の家事は引退、未婚の末娘アジザがキリム織りから何から、家の中のことは全て引き受けていて、さらに農作業も大部分は女の仕事。家事といっても機械化とは程遠い、母屋以外は水道もない、ふつうに台所もトイレも別棟、とにかくなんでもプリミティブな手作業、女性たちはものすごい重労働と作業量をこなしている。(さすがに火はプロパンガス、タンク買ってきている)

 

そういう習慣で大して着替えもしないとはいえ、ママはいつも民族衣装で長い一枚布にその下にカットソー、アジザも基本肌を出さないロングドレスのような服、チュニジア女性にありがちな大きめサイズ、女性二人分でもいざ洗うとなると結構大変な作業である。

 

乾いた大地での農作業に毎日の家畜の世話もあり、汚れっぷりもなかなかの衣類の洗濯、そしてキリムも織る、そりゃあ手も荒れるわけだ。ママが買ったというから、アジザの負担を考えてくれたのだろう、さすがママ。洗濯機が導入されてアジザも少しは楽になった、と思っていたら、それが全然・・・すぐさま、ほぼ使われていないことが判明。その後1年は使っているのを目にすることはなかった。

 

なぜか? 

 

答えはなんと、電気使うから。

電気代 高い、ママが洗濯機使うな、いつも通り手で洗えと言う、とアジザの話。

ママが買ったと言う話だったが・・・・

 

洗濯機のあるシャワー室には立派なバスタブが設置されていてその中でシャワーを浴びる構造のため、床に排水溝がなく、洗濯機を使うとなるとえっちらおっちら、シャワー室から洗濯機を中庭へ移動させねばならず、それも結局はアジザ自身が一人でやらねばならない。

 

出せばまた片付け必要、シャワー室の段差を乗り越え、10メートルを往復である。

延長コードで室内から電源取って、貯水槽から水汲み上げて洗濯槽に何度も注いで、なんてやるくらいなら、伝統の方式で地面にタライで、の方が早いのかも知れない。

せっかく目の前にあっても使えない、宝の持ち腐れ、絵に描いた餅状態。30代半ばであってもママの言うなりで一切逆らえないアジザが不憫である。もちろん、アジザがお金のかかる買い物など自分ですることも不可能。

 

日に何回も洗濯機を見るたびに なんだかなぁ、と思っていたのだが、今年、2020年の冬。

オリーブの収穫に一緒に行き、かなり服が汚れた時はさすがに帰宅後すぐ着替えたレベル。翌日の洗濯の際にはさすがにママのお許しが出た。(私の手前もあったかも知れないが)二人でよいしょよいしょと洗濯機を中庭へ運び出し、やっぱりアジザは洗剤入れまくり、地獄の泡ぜめで数回の洗濯。

料理もそうだがやるとなったら徹底的、地獄の釜のごとく強火でぐっつぐつに煮立てまくるのと同様、洗濯もタイマーをぐいんと一回転近く、がんがんに回しまくり、そしてやっぱりすすぎは最低限の最低限で・・・

二槽式なので手間はかかるとはいえ、機械化万歳である。

 

しかし、洗濯機使えてよかったー、これでスッキリ!と思ったのは早かった。

すすぎ(あくまでトゥジェンでの基準だが)終わり、取り出して手でざっっと絞っているのを受け取って脱水槽にいれようとしたら、「レ」:ノーと言われ・・・

 

なんとまあ、 脱水ダメ、電気いっぱい、『ハーイブ』:よくない、悪い=あかん、 とママが言ってる、とアジザが言うではないか。

洗いは大変だから(汚れのひどい今回に限り)機械使うの許すとしても、脱水、ぐいーーーーーんと高速回転で水絞るなんて、どれだけ電気食うんだ!とママの逆鱗に触れる行いらしい。

 

そんなに電気食わないって、ちょっとでいいじゃん、最初の30秒だけでいいから、お願い、脱水してぇぇぇぇぇ!!

 

いや、洗濯機なんだから洗濯できればいいのであるが、どうにもこうにも、日頃絞りに関してはどこかかなり欲求不満がたまっていて、できるならやっぱりきっちり脱水したくてたまらない日本人の主張はあえなく却下。

 

絞りは手作業、いつかは乾くんだからそこそこで絞り終えて干し、すすぎ一回でなんとなく洗剤分残ったような水のついた手で洗濯機持ち上げて、よいしょよいしょとシャワー室へ戻したのだった。

 

まだ、その時の一回しか、洗濯機の働きぶりを見たことがない。

 

また あの地に立てるのはいつの日か。やっぱり手洗いしながら思う。

まだ旅は終わらない。

 

 

→今後のキーワード:プロパンガスのタンク 、シャワー&トイレ事情

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3年保証付きのチュニジア国内製品!手編みのカバーかけちゃうのである。

 

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