クルッシャイ ムリーぐル!〜すべてうまくいっています。

チュニジアのキリム に魅せられ、「ただの主婦」からライフシフトしてなぜこんなところでそんなこと?的 目が点腰抜け半移住チュニジア生活のお話。

すっかる:砂糖にまつわる話 その2。

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奥にお茶の用意がある食卓。『タジン』を切るペティナイフも。


ああ、やっぱりね、そうきたか、と自分でも思う、◯◯ネタで引っ張る作戦。

 

やっとこ歩いてるようなベイビーの口に砂糖流し込むシーンもなかなかであったが、もう一つ、忘れられない光景、砂糖にまつわる話、その2。

 

ホストファミリーのビッグママの長男と三男の一家が、少し離れたところに並んで住んでいる、のは前回までのあらすじ。砂糖流し込まれたのは長男アリの末っ子、次女メレク。

洗濯物まっちろジヘンちゃんは一番上の長女、真ん中に息子がいる。

三男 ホセインにも子供が3人、真ん中が長女マリアム、息子が2人。

両家とも、末っ子以外は日中 それぞれ学校へ行っているが、ここチュニジアの小学校は、午後も授業がある時は、お昼ご飯食べに家へ一度戻ってくる。始業時間、帰宅時間も毎日ばらばらで、曜日による、などの規則性を見いだすことがなぜか難しかった。

 

その日、メレクが砂糖流し込まれた日とはまた別にアリとホセインと家族が住む家を訪ねていた時。やはりお昼ご飯をご馳走になり、その後、本題の二人の嫁が織るキリムを見せてもらって商談成立、お茶も入ったし、の頃にホセイン家の長女 マリアム(この時は8歳くらい)が学校から戻ってきた。

お昼ご飯を食べに戻ってきたにしては遅い、再登校後に帰宅したにしては早すぎる?どちらか分からない半端な時間だったように記憶している。

よく晴れた”天気が悪い”日で、土むき出しの埃っぽい岩ゴツゴツの道を、子供の足で30分ほどかけて歩いて学校から戻ってきて、まずはプラスチック容器に汲み置きしてある水を、備え付けのコップをずぼっと入れて水を汲み、ぐいっと飲み干す。

ぷはー。コップは使い回しである。

 

ホセインの嫁、マリアムの母 へスナはまだ30歳そこそこ。18歳でと結婚が早いので、長男11歳を頭に子供3人も余裕、むしろこちらではそれが当たり前くらいの勢いである。

先住民族の特徴を残す、と言われる、色の薄い瞳が印象的な明るい健康美人。

マリアムもエキゾチックな彫りの深い顔立ちで、磨けば光るダイヤの原石のよう。

日本で言えば、『今日学校どうだった?宿題は?』『お腹すいた、おやつおやつ!』的な会話が今目の前でなされているんだろうなあ、と思って母娘のやりとりを微笑ましく見ていたのだが、なんでもいつでも手に入る日本とは遠く離れたチュニジア、それも首都から500kmのここトゥジェンの、さらに奥まったところでは、日本で思い浮かべるようなお菓子的なものは、普段は家の中にはほぼ無いに等しい。(売ってはいるけどわざわざ買わない。その背景はまた改めて。)

 

もちろん、訪問客としては、近くのハヌートと呼ばれる「よろず屋」でお土産になるものを購入していくが、様子を見ていると、ファンタ、コカコーラなどの炭酸飲料の2リットルとか、ダノーン、ヨゴルトと呼んでいるように聞こえる、小分けのヨーグルトなどを手土産で持っていくのが慣習のようであったので、郷に入っては郷に従え、当地での常識的なものを携えていった。

そのお土産をマリアムが口にしたかは全く記憶がない。いただき物がキッチンや別室の奥に消えたまま、二度と見ない、というのもこちらではよくある話。

 

これもこちらの慣習で、客人にだす食事の類は気前よく溢れんばかり、とにかくクーリー:食べなさい、食べなさい、の連呼の中のでのおもてなしである。なのでクスクスだったかパスタだったか、メインのお料理が残っていて、さすがヘスナは甥、姪含め、子供たちがいつ突然ハラヘッタ、と言い出してもいいように取り分けて近くに置いてあった。

たとえ、メインがクスクスでもパスタでも、さらに何かしらパンの類も一緒に出されるのがチュニジアンスタイル。お好み焼きおかずに白ご飯、またはラーメンライスのようなもの。

なのでその日はフランスパン;バゲットチュニジア語ではホブズもキッチンに下げずに、おやつ代わりに置かれてあった。

 

マリアムも帰宅してお腹すいたのだろう、ヘスナとのやりとりは「これ食べなさい」「えー、これはやだ。何かほかにないの?』的なものに移行していく。(推測)

お昼の残りの料理を示しても、チッチッ、と舌を鳴らして「No」、チュニジア語では「レー」の意思表示をするマリアム。ならば、とヘスナはホブズを差し出すが、それも「」とちょっと強めに否定。

 

ヘスナはおもむろに残りのホブズの切れっ端(といっても15cmくらいの長さ)を、食後の果物用ペティナイフ(食べ終わるか終わらないか、のタイミングでその場でリンゴなどの皮をむいて供するために用意してある)でざっくり『開き』にし、そこへ

お茶用の砂糖をたっぷりそそぎいで乗せ、パタンと閉じた砂糖サンド

を作り、マリアムに差し出した。

 

ちょっと恥ずかしそうに、でもお母さんが『しょうがないわねぇ』、と言いながら(まったくの推測)作ってくれたのでどこか嬉しそうに、マリアムはその砂糖サンドを素直に受け取って、やっぱり少しジャリジャリ言わせながら食べ始めた。

 

純粋に、バゲットと砂糖のみ、のシンプルなサンド。

郷に入っては郷に従え。忘れられない、お袋の味、チュニジア、トゥジェンの味である。(食べてないけど)

甘ーいお茶を飲みながらの、身振り手振りのやりとりでまったりと過ぎた午後であった。

 

旅はまだ始まったばかり。

 

 

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チュニスのレストランにて。バゲットはこのようにたっぷり出てくる。

 

 

 

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